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柚子胡椒

柚子胡椒づくりにはまってます。

 38年前、結婚の挨拶に家内の親戚を回ったことがあった。
姑は末っ子であったことから、一族の長兄各位はこぞって文字通り長老であった。明治の終わりから大正、昭和の初めにかけての軍隊経験者であり兵(つわもの)たちであった。

 その一人近衛師団で軍曹の軍歴を持つ金八叔父貴を訪問した時であった。
 私から56歳年長で当時80歳で、さすが軍隊経験者と思わせる矍鑠とした、それでいて好々爺然とした風貌の金八叔父さん。
 近衛師団の話、二二六事件の話等伺ったように記憶しているがその辺は曖昧模糊としている。鮮明に記憶しているのは、お土産に頂いた金八叔父さん手作りの「柚子胡椒」であった。
 武雄温泉に住まいする叔父さん、「柚子胡椒」を手作りしては、一族はじめ友人に、お土産代わりに持たせているということであった。

 当時の「柚子胡椒」はそれほどメジャーな代物ではなかった。
 近年、チューブ入りの「柚子胡椒」が発売されているし、柑橘類が特産品として売り出している地方の道の駅に行くと、必ずと言っていいほど柚子だけではなく、当地の有名な柑橘類を使った「○○胡椒」が売り出されている。
 
 しかし、そのような「柚子胡椒」とは比較にならないぐらい「金八柚子胡椒」は美味しかった。柚子胡椒を作るときの苦労話もお聞きした。「柚子胡椒を作るときは、顔も手足も真っ赤になって、「痛い」思いは覚悟してやるもんや」と言われた時には、
相当に「辛い(つらい)」だろうなと思い、だから「辛い(からい)・美味しい」柚子胡椒ができるのだと確信した。

 お会いした後、1年と経たない内に体調を崩し鬼籍に入られた。
 二度と口にできないだけに「金八柚子胡椒」美味しかった。
 舐めるように最後まで頂いた。

 あの味が忘れられず、手作りの柚子胡椒に挑戦してみた。
問題は、辛い(からい)青唐辛子が入手出来るかであった。幸い懇意にしている八百屋さんのお蔭で手に入った。青柚子と塩で材料は揃った。マスクと手袋も必需品である。後は、唐辛子を洗い、種をとり(種を取らない方が辛い)柚子皮と塩を混ぜ合わせ、ひたすら刻む。私は包丁でひたすら叩くように刻む。部屋中に、唐辛子と柚子の香りの独特の複雑な臭いが漂う。ミニチュアダックスの「もも」も近寄っては来ない。

 何気なくマスクを一度外した。臭いに思わず噎せ返った。

 また、柚子皮を切るときに、手袋を傷つけたようだ。親指に激痛がはしる。かすり傷に柚子胡椒が沁みる。生半可な痛みではない。

 金八叔父さん、こんな思いまでして「柚子胡椒」を作っていたのか。痺れる親指を洗いながら、改めて金八叔父さんを偲ぶ。

柚子胡椒作りに2度挑戦した。幸い、何れも好評?と自惚れている。
もう今年は作るまいと、痺れる指を洗いながら思った。

このブログを書き終えたころ、件の八百屋から電話が入る。
「青唐辛子500gあるけど要る?」すかさず「取っといて」と返事した。
心なしか、指が疼いたように思った。
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プロフィール

【名前】
おっちゃんヘルパー
【年齢】
65歳
【一言】
≪絆≫を大事に。
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